(2)「棚機」の意味
多くの人が知っているたなばたは、お祭りとしての意味です。
その意味とは、五節句の一つ。
天の川の両岸にある牽牛星と織女星とが年に一度相会するという、七月七日の夜、星を祭る年中行事になります。
牽牛星が彦星に、織女星が織姫のことです。
お祭りの意味以外にも意味があり、そちらの意味が「棚機」になります。
それは「たなばたつめ」の略です。
これこそ、「棚機」本来の意味になります。
(『広辞苑』より)
(3)「棚機」の由来
「棚機」とは、中国伝来の乞巧奠の風習と、日本の神をもつ「たなばたつめ」の信仰とが習合したものであろうというのが由来です。
「棚機」は禊の行事のひとつで、選ばれた女性が着物を織り、それを神様にそなえ、けがれや秋の豊穣を願ったとされます。
着物を織る女性を「棚機つ女(たなばたつめ)」と呼び、「棚機」は棚すなわち横板のついた織機のことです。
一方、乞巧奠は中国での儀式。
女子が裁縫・手芸に巧みになることを祈る祭事で、陰暦七月七日の夜、供え物をして牽牛星・織女星をまつります。
この風習が日本に入ったのがきっかけにより、「七夕」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、「七夕」を「たなばた」と読むのは当て字です。
たなばたひとつとっても、非常に奥が深いと言えますね。
(『広辞苑より』)
今ではお願いごとをする行事として捉えられている「棚機」。
しかし、その背景は祈りや禊、豊穣など人の願いが非常に込められています。
そんな背景を思いながら、ぜひステキなたなばたをお過ごしください。
(恋愛jp編集部)