(2)「一入」の意味
「一入」には2つ意味があり、ひとつは名詞として、もうひとつは副詞です。
名詞としては、「染物を染め汁に一回ひたすこと。はつしお」という意味が。
副詞としては、「ひときわ。いっそう。一段」という意味があります。
今回紹介した「一入」は副詞で使われる意味をもつほうです。
(『広辞苑』より)
(3)「一入」の語源
「一入」は、意味のひとつである染物を染め汁に浸す、これが始まりです。
染物は何度も染めることで色の濃さ・風合い、鮮やかさが異なります。
その状況より、前と比較して増しているさまから「ひときわ」や「いっそう」といった言葉として使われるようになったのです。
「一入」の「入」は染物を染め汁に浸す回数のこと。
染物は1回で終わることはありませんが、染める前と後では大違い。
当て字として「一入」として表現しています。
いつ使うのか?と疑問に思われたでしょう。
意外とサラッと使っていますよ。
「この出来はひとしおもふたしおも違います」
「感慨も一入である」
「感動も一入です」
「一入」と感じで使うことは少ないですが、「ひとしお」と聞くと「一入」だなと頭の中で思い浮かべてみてください。
(『広辞苑より』)
(4)「一入」とよく間違えられる漢字
「ひとしお」と聞くと、料理で聞く「一塩」と勘違いする人もいます。
たしかに読み方は同じですが、意味はまったくの別物。
「一塩」とは、魚・菜などに、軽く塩を振ることという意味です。
調味料は入れれば入れるほど味が変わりますが、語源は別物なので注意してください。
(『広辞苑』より)
使う場面が豊富な「一入」。
意味がわかれば、間違うことなく正しく使えるでしょう。
ぜひお友だちなどにも教えてあげてください。
(恋愛jp編集部)