(2)「就中」の意味
「就中」とは、「その中で」「とりわけて」「とくに」という意味をもつ言葉です。
平家物語でも用いられている言葉で、古くから使われていたことがわかります。
現代では、話し言葉でこそ使われる機会は少ないですが、硬い文体の文章では使用されることも多い言葉です。
ただし、書き言葉でも「就中」と漢字で表記されることは稀で、ひらがな表記がほとんどなのだとか。
目にする機会も少ない漢字のため、ますます読むのに苦労することでしょう。
(『広辞苑』より)
(3)「就中」の由来
「就中」の読み方や意味がわかったところで、由来についても把握しておくと、より理解が深まるでしょう。
「就中」とは、漢文訓読に由来します。
漢文で表記されている「就中」を、返し点「レ点」を入れ「就レ中」と読むような表記があったのかと想像できるでしょう。
「就レ中」を日本語に即して読むと「中(なか)に就(つ)く」と読めます。
「中(なか)に就(つ)く」を音便で読むと、「なかんずく」となるのです。
音便とは、音節の一部が元の音とは違った音に変わる、日本語の現象を指します。
音便系を用いると、「咲きて」が「咲いて」、「早く」が「早う」と読めるようになります。
この音便系を用いると、「なかにつく」と書いて「なかんずく」という読みになるのです。
(『広辞苑』より)
今回は、「就中」という漢字をご紹介しました。
普段使用しない言葉なだけに、読み方や意味、由来なども難解だったのではないでしょうか?
とくに、漢文由来となると頭を抱える方も多かったはず。
ですが、一度理解してしまえば難しくありません。
ぜひ「就中」をスムーズに読み解き、知識を披露してみてくださいね!
(恋愛jp編集部)