(2)「俳優」の意味とは?
「俳優(わざおぎ)」は、主に二つの意味であります。
一つ目に、「手振り・足踏みなどの面白くおかしい技をして歌い舞い、神人をやわらげ楽しませること。また、その人」
二つ目に、「役者」です。
じつは「わざおぎ」は、現在使われている「はいゆう」とは別物。
その違いについて、つぎでみていきましょう。
(『広辞苑』より)
(3)「俳優」は人をさす言葉ではない
「俳優(わざおぎ)」は古くからあり、歴史書である「日本書紀」に記されていました。
意味を見てのとおり、「わざおぎ」の最初の意味は人をさしてはいません。
神さまに披露する歌や踊りのことをいい、今の俳優としての意味ではなかったのです。
これが本来の「わざおぎ(俳優)」になります。
しかし、室町時代に能や狂言がでて以降、役を演じる人=役者がでてきます。
役者と俳優はこの時点では別々に存在し、役目は別々でした。
それが江戸時代になり、役者が歌や踊りをするようになったことで「わざおぎ」も人をさす言葉になったのです。
そのため、「はいゆう」は「わざおぎ」である「俳優」に当てただけの当て字に。
その部分にも驚いたことでしょう。
(『広辞苑』より)
神さまに捧げる歌や踊りのことをさす「俳優」。
古くからある言葉にもかかわらず、これほどの違いがあるのは興味深いです。
普段使っている言葉も、深く掘り下げると意外なものが見つかるかもしれませんよ。
(恋愛jp編集部)