(2)「忝い」はどういう意味?
「忝い」には、3つの意味があります。
「恥ずかしい。面目ない。」
過分の恩恵や好意を受けて「身にしみてありがたい」
尊貴さが損なわれるようで「もったいない。恐れ多い」という意味です。
侍と聞けば、たくましく生きるさまというイメージを持っている方も多いはず。
誰かに看病されたり、弱い一面を見られたりするのはプライドを恥じているのでしょう。
まさに、この言葉は侍のためにありますね。
しかし、忝いにはもうひとつ漢字があります。
それが「辱い」という漢字ですが、「忝い」とは違う意味とのこと。
「かたじけない」の意味を区別すれば、「忝い」は「恥ずかしい。面目ない」という意味に。
「辱い」は「身にしみてありがたい」「もったいない。恐れ多い」という意味です。
話すうえでは気にしなくてもいいですが、漢字で書く際は気をつけましょう。
(『広辞苑』より)
(3)「忝い」はじつは違う言葉だった
恥ずかしいやありがたい、恐れ多いという意味で使う「忝い」。
もともとは、このような意味ではなかったそうです。
「かたじけない」は、元来、容貌の醜い意味をあらわす言葉であったらしいです。
なぜそのような意味だったのかは、新訳華厳経音義私記にある「醜陋下猥也。謂容貌猥悪也。猥可多自気奈之。」よりきています。
そこから転じて、相手に対して申し訳ない感情の「かたじけない」が生まれたそうです。
ほかにも説はあるようなのですが、どれが正しいとは言い切れません。
(『広辞苑』より)
相手に恐縮する意味として使われる「忝い」。
醜いという意味があったことには、驚きだったのではないでしょうか。
じつは「ありがたい」の丁寧語でもあるので、日常で使うのも悪くありませんよ。
(恋愛jp編集部)