生理前は、いろいろな不調が起こりやすいタイミングです。
なかでも、異常な眠気に悩まされている人も少なくありません。
寝ても寝ても寝足りない……。
日中なのに突然眠くなって何も手につかない……。
そんな経験を持つ方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、そもそもどうして生理前に眠くなるの?そのメカニズムって?と、生理前の眠気にお悩みのエピソードと共にを解説します。
『はらメディカルクリニック(不妊治療専門クリニック)』院長の宮﨑薫
ノースウェスタン大学産婦人科(米国シカゴ)研究助教授を経て、帰国後は生殖医療専門医として「最先端の医療で、最短の妊娠を」という方針のもと、患者様それぞれの身体の状態、さらには社会的状況などに応じて、患者様一人一人に合った治療にあたっている。
眠すぎて集中力が……
生理前になると眠くなったり、集中力がなくなるので仕事でのミスが多くなったりします。
一度、一斉メールを送る作業の準備をしていて、相手先のアドレスをBCC欄に入力しなくてはならなかったのに、ボーッとなってしまいCC欄に入力していたことがあって、最後の最後に気づいて事なきを得たことがありました。
(51歳/自営業/女性)
なぜ生理前に眠くなるの?
生理前に眠くなるのは、女性ホルモンの分泌が大きく影響しているからと言われています。
排卵が終わり生理になるまでの約2週間は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が盛んになり、血中濃度が高まる黄体期です。
この期間は基礎体温が上昇し、眠っているときも起きているときも体温が高いままになります。
睡眠の質は体温が低いとよくなると言われているので、黄体期の睡眠の質は低下します。
すると、夜間の眠りも浅くなってしまい、その結果、日中にいつもより眠気を感じることも少なくありません。
筆者は、日中なのに強い眠気に襲われてどうにもならず、オフィスのトイレで少しだけ眠ってから仕事に戻ったこともあります。
眠くて仕方がないときは
お悩みの方のように、集中力がなくなるくらいの眠気だと昼間の活動や仕事にも影響がありそう……。
生理前、眠くて眠くて仕方がないときは、思い切って少しお昼寝してしまうのも有効です。
5分〜10分ほど眠るだけでも頭がスッキリするのではないでしょうか。
軽く腕や足を動かす程度のストレッチや、レモングラス、ペパーミントなどのハーブティーも眠気覚ましやリフレッシュに一役買ってくれます。
それでも日中に異常な眠気やだるさを感じるのであれば、婦人科で相談してみてもよいかもしれません。
女性は生理周期によってココロもカラダも大きく変化します。
その変化とうまく付き合いながら、生理前の期間も無理なく過ごせるとよいですね。
(MOREDOOR編集部)