新卒の頃は右も左もわからず仕事についていくのが精一杯だったけれど、今となっては後輩を教える立場にいるMOREDOOR世代。
今回は「後輩を育てながらキャリアアップするにはどうすれば?」と悩む読者の声を、心理学の教授にぶつけてみました!
【お悩み】
職場で、自分もまだまだ知らない事ばかりなのに、後輩を指導する立場になりました。後輩指導をしていると、自分の仕事に割ける時間がどんどん減ってしまい、「どうキャリアアップすればいいのだろう」と先が見えなくてしんどくなります……。うまく後輩を育てながら自分自身も成長するには、どうすればいいのでしょう?(20代/会社員)
今回お話を伺ったのは……
目白大学大学院心理学研究科長
長年心理学の現場でカウンセリングを行い、ポジティブ心理学の研究にも従事。
著書に「女50代のやっかいな人間関係」「パパのための娘トリセツ (こころライブラリー)」「手にとるように発達心理学がわかる本」等多数執筆。
まず時代の特性として、後輩を指導する際に「叱ってはいけいない空気」がありますよね。
しっかり叱れば直るだろうところも、やんわりと伝えることで流されてしまい、後輩指導に労力がかかって自分の時間が減ってしまう……お悩みの方の状況、本当によくわかります。
指示の仕方を効率よくして、ダンドリよく自分の時間を確保できればいいですよね。
私が後輩指導の時に見ているのは、その人の性格特性と自尊感情の高さです。
どんな風に伝えたら理解できるのか、どんな言葉をかけたら喜ぶのかといった特性をまず観察してみましょう。
そして自尊感情(自分のことをどう評価するか)が低い人には、正直なところ何を伝えても改善が難しいと感じることがあります。
そんな人には、「やめたい」と言われたら「やめてもいいよ」と言って一度突き放してみるのも一つの手です。
大切なのは、「自分にぴったり合う職場などない」「自分自身を合わせていくしかない」と社会を知ってもらう事。
いずれ乗り越えなくてはならない壁を提示してあげるのも、「先輩としての役目」と捉えてみてくださいね。
また、「どうキャリアアップしていけばいいか分からない」とのことですが、周りの人に聞いてみる、相談してみる事が何より大切です。
もし自分自身で先輩に聞く壁を作ってしまっていたとしたら、とてももったいない話。
聞く勇気、相談する勇気をもって、ぜひ次のキャリアへと一歩踏み出してみてくださいね。(目白大学大学院心理学研究科長 小野寺敦子)
一人一人に合わせた方法で
後輩の指導も、自分のキャリアアップの仕方も、正解は人それぞれ。
その中で特に大切なのは、自分だけで完結しようとせず、周りの力を上手に借りる勇気。
素直に自分の先輩へ相談する事こそ、MOREDOOR世代が身に着けるべきスキルなのかもしれません。
あなた独自の素敵なキャリアを築いていけますように!
(MOREDOOR編集部)