「プレゼンテーション」など“相手に伝える技術”を学ぶ機会が乏しい日本。
あなたも「自分の気持ちを相手に伝える事」に苦手意識はありませんか?
今回は、『「モヤモヤした思い」を相手に伝えるとしたら、どんな工夫をする?』とアンケートを実施!
その結果を元に心理学の専門家へベストな方法を聞いてみました!
アンケートの結果……
『ある程度は気持ちが落ち着いて冷静になってから聞いてもらうようにしています』(40代/女性)
『感情的にならないようにワンクッション置いてから話すようにしています』(40代/介護士)
『出来るだけ事実と感情を切り分けて伝えています』(40代/会社員)
『直接伝えるのは難しいため、手紙もしくはLINEで何回も推敲を重ね伝えています』(20代/会社員)
さまざまな意見があつまりました!
さて、このような読者の声を専門家はどうみるのでしょう?
今回お話を伺ったのは……
目白大学大学院心理学研究科長
長年心理学の現場でカウンセリングを行い、ポジティブ心理学の研究にも従事。
著書に「女50代のやっかいな人間関係」「パパのための娘トリセツ (こころライブラリー)」「手にとるように発達心理学がわかる本」等多数執筆。
アンケートの結果の「一旦冷静になる」「推敲を重ねる」といった行動はすごくいいですね。
まず、「相手にモヤモヤする状況」を考えてみましょう。
少し相手との距離が近すぎるかもしれません。
「この人合わないかも」と思ったら近づきすぎの可能性があります。
客観的に相手と自分を眺めることが大切。
例えば毎日LINEしているのを、3日に1回にするなど具体的に距離を遠ざけてみましょう。
夫など、近しい人は……
自分に近い人は「自分のことは何でも分かってくれる」と思いがちです。
そして「なんで分かってくれないの?」と訴えてしまうと、上手く行かなくなってしまいます。
「自分とは全く違う人間だ」と距離をおくことで冷静になれるので、もし相手にモヤモヤしたら、「相手と自分の距離」を確認してみてくださいね。
その上で相手に自分の気持ちを伝える時は、アサーション(さわやかな自己主張)を用いましょう。
アサーションとは、相手を大切にしつつ、自分の意見を我慢せずに伝える手法です。
具体的にいうと、相手のいいところから言及します。たとえば、
「こんなところはすごくいい、でこんな所は気になる、もっとよくなるかも。」といった具合です。
モヤモヤしたことを告げる目的は、きっと相手に行動を変えてもらうことですよね。
そこを「相手へ愚痴をぶつける」といった本来の目的とは違う言動にならないよう、注意が必要です。
相手に敬意をはらいつつも意見を主張できるように、ぜひ意識してみてくださいね。(目白大学大学院心理学研究科長 小野寺敦子)
相手との距離は適切か
モヤモヤした思いを伝える際、まず気にかけてほしいのは「相手との距離」。
近づきすぎてまるで「自分の一部」のような感覚になっていたとしたら、一旦ワンクッション置いてみてくださいね。
そしてアサーションは相手と対等な信頼関係を築く上でとても大切な知識です。
はじめて聞いた方は、ぜひ日常のコミュニケーションに活かしてみてください!
(MOREDOOR編集部)