女性がかかるがんの中で、最もかかりやすいと言われている乳がん。
自分の胸にいつもとは違う異変が現れたら、不安になってしまいますよね。
そこで今回のMOREDOORでは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。
1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。
産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。
新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。
Pさんの場合……
肌着のちょうど胸のところに茶色いシミみたいなのがついていました。
お風呂の中で何でだろうと思い、胸を見ていたら、授乳中のような痛みとともに茶色の液体が乳頭から出てきました。
胸を触ってもしこりのようなものはありません。
これは乳腺炎なのではないかと思いつつ、乳がんの検診をしてくれる病院に行きました。
一通り検査を受けたものの、とくに心配はないとのこと。
3年後、入浴中にたまたま胸をさすったときにコリっとした手ごたえを感じました。
前回の検査のときに、しこりがあれば明らかにわかると言われていたので、すぐに同じ病院に行き検査。
マンモグラフィやエコーなどで診てもらった結果、「がんの可能性も考えて検査をしましょう」と言われ、大学病院を紹介されました。
結果、乳がんでした。
どんな治療を受けましたか?
運よくキャンセルの空きがあったため、1ヶ月後には手術となり、片方の乳房を全摘しました。
脇のリンパにも転移があり、そちらも切除。
検査の結果、ホルモン治療が有効ながんだったことが判明し、ホルモンの薬を飲み生理を止めるための注射を定期的に打つことになりました。
世の女性陣へ伝えたいことは?
最初に乳頭から分泌物が出たとき、それ自体も検査されて、血液でないから大丈夫だと言われました。
これは病院側の落ち度ではなく、当時の医療の認識ではそういうものだったのだと思います。
数年後、妹が乳がん検診に行ったとき、乳頭からの分泌物の有無を聞かれたそうです。
分泌物があれば高確率でがんであると言われたようです。
医療側もさまざまな症例を分析して知識を蓄積しているのがわかります。
ネットや他人の話を鵜呑みにせず、おかしいと思ったらまずは検査に行ってください。
※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。
気になることがあれば早めに病院へ
肌着についた茶色いシミは、乳がんが原因だったというPさん。
Pさんはキャンセルの空きがあり1ヶ月後には手術を受け、ホルモン治療を続けているようですね。
皆さんも、少しでも気になることがあれば、早めに病院で受診してみてくださいね。
今回は「疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。
※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一
※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。
必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
(MOREDOOR編集部)