健康診断や普段とは異なる違和感から病院を受診して、疾患を見つけられたという経験はありますか?
「今はまだ大丈夫」と、病院の受診をついつい後回しにしてしまう人も少なくないはず。
そこで今回は、「疾患に気づくことができたエピソード」をご紹介します。
※このエピソードには「うつ病」の症状が記載されています。閲覧にはご注意ください。
Eさんの場合……
社会人1年目のとき、出勤前に吐き気を感じたり、勝手に涙が出てきたりすることがありました。
最初は「疲れている」くらいにしか捉えていませんでしたが、無理に笑顔で出勤しているうちに、どう頑張っても自然と涙が流れてきてしまい、過呼吸を起こすようになりました。
なぜ泣いているのか自分でも分かりませんでした。
そして、ある日出勤しようとベッドから起き上がろうとしたら体が全く動かず、鉛のような感覚でした。
それからは、頭がぼーっとしたような感じで、銀行のATMの操作の仕方が急に分からなくなり呆然と立ち尽くしたり、家族ともうまく話せない状況でした。
家族もその様子に驚き一緒に心療内科を受診し、うつ病と診断されました。
どのような治療を受けましたか?
自宅療養に専念し、とにかく何も考えず休むよう言われました。
また、抗うつ剤や安定剤、整腸薬など、その時の症状にあった薬を処方してもらいました。
薬にもたくさん種類があるので、実際に飲んでみて、効果や身体との相性などを判断してもらい、薬の量を調節してもらうことに。
体調が安定してきたら主治医の先生と相談しながら、減薬を少しずつ慎重に進めていきました。
伝えたいことは?
自分がつらい状態にあるとき、その原因を突き止めようと考えたり、無理やり言葉にして誰かに表現したりすると、逆に自分を追い込んでしまいます。
どうか、自分の心のSOSを見逃さないで、「こうでなければ、こうしなければ」と考えずに、自分の心に蓋をするようなことはしないでほしいです。
もちろんそれが簡単ではないこともわかりますが……。
どうか今つらい人が、少しでもその状況から離れられますように祈っています。
違和感を覚えたときは早めに専門家へ
皆さんも、心身ともに異変や違和感を感じたら、迷わず専門家を受診しましょう。
早めに適切な処置を受けることが大切です。
今回は「疾患に気づくことができたエピソード」をお届けしました。
※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。
必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修医:新見正則医院院長、新見正則
1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。
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