『よいことも嫌なことも分かち合いたい。』HSPのパートナーと結婚して2年。“ストレスはない”と言える理由

『よいことも嫌なことも分かち合いたい。』HSPのパートナーと結婚して2年。“ストレスはない”と言える理由

『よいことも嫌なことも分かち合いたい。』

「繊細さん」という言葉でも知られるHSP。
近年SNS上でも、繊細さゆえの「生きづらさ」エピソードが多く共有され,多くの共感や励ましが集まっているようです。(日本心理学会より引用)

日本心理学会>>

そんな中、HSPのパートナーをもつ人は、日々の生活をどのように暮らしているのでしょうか。
そこで今回のMOREDOORでは、HSPのパートナーと結婚して2年が経過するRさんにインタビューを実施。

Rさんの日々の暮らしと、夫婦関係の専門家カップルセラピストからの意見をご紹介します。

※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、考えるキッカケになれば幸いです。

ーーパートナーがHSPかも?と気づいたきっかけは?


付き合っていたころから人間関係の相談が絶えませんでした。
同棲して結婚して、出かける回数も自然と増えていくように。
その際、例えば高圧的なドライバーに対し不満を言うと、そういった不満等の発言も影響してしまい気分が下がってしまう様子で、いろいろなシチュエーションで落ち込んだ様子をみて気づきました。

ーー日常生活を送る上で、悩んでいることは?

本人が悩んでいることや落ち込むことをやめてほしいと思いませんし、ストレスもないです。
しかし、子どもが生まれたときに、その性質が子どもに影響しないか心配ではあります。

ーー解決に向けてどんな工夫を?


本人も改善したいし、前向きで嫌なことは流せるようになりたいようなので、相談された際は乗ります。
しかしあえて深く相談には乗らず、「そんなことで悩んでいるのね」と“悩んでいることは大したことないんだ”と思ってもらえるようにしています。

ーー工夫を凝らした解決策をとれた理由は?

自分自身が「人は人、自分は自分」といった真逆ともいえる性格なので、そういった真逆なところから相手によいアプローチができたのだと思います。

ーーパートナーとは、どんな関係性を築いていきたいですか?


自分がつらい時にも支えてほしいですし、これから先長いので、よいことも嫌なことも家族で分かち合えたらと思います。

ーー今後、社会に対して「もっとこうなったらよいのにな」と思うことは?

最近、迷惑行為をしてしまった人に対し、必要以上に攻撃する人をSNSでよく目にします。
もちろんその人が迷惑をかけていることはよくないですが、SNSでそういったマイナスな投稿ばかりが出回っているので。
「そのような迷惑な行為を見かけた場合にどうすればよいのか」、「迷惑かけてる人が償う機会やもう同じことが起こらないようにするためにどう解決すればよいのか」を社会が示してくれたら安心できると思います。

カップルセラピストは2人の関係をどう見る?


これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポートしてきたカップルセラピストの坂﨑さんに話を聞きました。

ーーRさんのお話をどう感じましたか?

自分に向けられた感情でなくても、とても気になるのがHSPさんです。
子どもの時なら、クラスで先生に怒られている友達がいる。
社会人になったら、駅のホームで怒鳴っている人がいるなど。
パートナーの何気ない仕事の愚痴や不満も、気持ちに影響してしまうのですね。

「人は人、自分は自分」という考えをうまくパートナーにも適応させているのが素晴らしいと思います。
そのような気持ちでかかわることによって、「なぜそんなことで悩むの?」ではなく「あなたはそういうことで悩んでしまうのね」という声のかけ方に変化する可能性があります。

尊重はするけれども、迎合はしない。悩みには乗るけど、深入りしない。
そのバランスの取れた対応がパートナー関係を円滑にしているのでしょう。

子どもができた時、HSPの要素を引き継ぐのかどうかわかりませんが、「そうだね、しんどいね」と「大丈夫だよ」と言ってあげられる2人が揃っていることは最強ではないでしょうか。

人は人、自分は自分


繊細すぎるがゆえに、気分が落ち込んでしまうことが多いHSPさん。

しかし、落ち込んでしまったときにRさんのような「人は人、自分は自分」というマインドの持ち主に相談することで新たな視点を見つけることができるのかもしれませんね。

みなさんは、この記事を読んでどのように感じましたか?

監修者:坂﨑 崇正(さかざき たかまさ)
臨床心理士・公認心理師、COBEYAセラピスト。
2010年鳴門教育大学大学院修了。
スクールカウンセラー、男性相談員、就労支援相談員、専門学校講師等を経て、2021年よりCOBEYAにカップルセラピストとして参画。
これまでの3,000件以上に及ぶ臨床経験を活かし、パートナー間の課題解決をサポート。

(MOREDOOR編集部)