『性暴力を減らすために』大学で“性的同意”に関する新入生オリエンテーションを義務化

『性暴力を減らすために』大学で“性的同意”に関する新入生オリエンテーションを義務化

厚生労働省の発表によると、年間出生数約84万人に対し、人工妊娠中絶数が約14万5000件にものぼる日本。

▶︎厚生労働省令和2年度の人工妊娠中絶数の状況について

性交後72時間以内に飲む必要がある緊急避妊薬のオンライン処方も進んでいますが、その社会的認知はまだ十分とは言えないのが現状です。

性的同意に関する新入生オリエンテーション

そんな中、国際基督教大学を拠点として活動する学生団体のVoice Up Japan ICU支部(4月より“Map the Better”へ改名)は、大学における性被害・目撃経験の実態を調べることを目的としたアンケートをICU関係者を対象に実施。

その驚くべき結果と、日本ではまだ一般的でない「性的同意に関する新入生へのオリエンテーション」について、ご紹介します。

調査の結果

2021年6月1日〜同月30日、ICUの教職員28名、学生324名の計352名にアンケートした結果、回答者の約10%が性暴力被害者であることが判明。
また、ICU関係者の約92%が、大学による生徒への知識や情報の提供を求めていると回答しました。

▶︎Voice Up Japan性的同意プロジェクト

Voice Up Japan ICU支部(4月より“Map the Better”へ改名)で活躍する西山さんはMOREDOORのインタビューに応じ、『なんで今まで性的同意に関する学びの場がなかったのか考えられない』『ワークショップは是非やってほしい』といった声が多くあり、特に『海外では当たり前のようにある』と帰国子女や留学生等が声を挙げてくれたと答えました。

性的同意ハンドブックの作成

このような声を受けて、Voice UpJapan ICU支部(4月より“Map the Better”へ改名)は、ICUにおける性的同意に関する情報提供の一環として、CGS(ジェンダー研究センター)の監修のもと、性的同意ハンドブックを作成。性的同意クイズやチェックリスト、学内や学外のホットライン、知っておくべき法律など、性的同意に関する情報を掲載し、大学側から新入生全員へ配布する試みを始めました。

▶︎ICUジェンダー研究センター

ハンドブックには性暴力被害者支援のシンボルであるティールリボンの色が採用され、性的なハラスメントや暴力が『異性間のみならず、同性間やさまざまなジェンダーやセクシュアリティの間で起こりうる』という前提を元に制作。現行法律で定義が曖昧なゆえに被害者が狸寝入りをしてしまう“法律の課題”にも言及し、「同意のない性的行為は歴とした性暴力」と訴えているところが特徴です。