皆さんは婦人科に受診をした経験はありますか?
なかには、さまざまなトラブルで悩む女性も少なくないと思います。
そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。
1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。
産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。
新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。
Eさんの場合……
私の場合は卵巣嚢腫奇形腫(成熟嚢胞性奇形腫)でした。
5年前の12月に月経前症候群で左側に激しい腹痛と腰痛が発生し動けなくなりました。
その後、月経過多で経血が止まらず、1時間毎にトイレに行かないと血まみれになる事態になったため、救急で婦人科へ。
月経過多と卵巣の異常な腫れは仕事のストレスが原因でしたが、そのときのエコー検査で左の卵巣が8cmに腫れあがっていることが判明しました。
ストレスで卵巣が腫れ上がっているときは、左側に腹痛と腰痛が同時に来たため、仰向けやうつ伏せができず右を向いたまま横になって呻くことしかできず、いっそ内臓を取り出したいと思うほどでした。
その後、投薬で月経過多は治り卵巣のサイズも小さくはなったのですが、平常時サイズの2cmまで小さくならなかったため、CT検査をすることに。
そこで、左卵巣内に良性の腫瘍があることが判明し「卵巣嚢腫奇形腫(成熟嚢胞性奇形腫)」と診断されました。
どんな治療を受けましたか?
発覚した当初は4cmとギリギリ正常範囲サイズだったため、一年に一回の経過観察のみで治療はせず、今も定期検診に通っています。
しかし、定期検診で5cmまで成長してしまったため、今後は半年に一回検診をすることになりました。
今後さらに成長し、7cmまで成長すると卵巣腫瘍茎捻転の危険があるため、嚢腫の摘出手術を行うことになります。
治療は腫瘍摘出しかないようで、このまま腫瘍が成長しなければいいと思っています。
世の女性陣へ伝えたいことは?
月経前後だけ片側の腰や腹部に痛みが出る方は、卵巣が腫れて神経を圧迫している可能性があります。
私は激痛でしたが、痛みの具合は神経の通り方によるので、あまり痛くなくてもすごく腫れている場合もあると聞きました。
「8cm以上の大きさに腫れていると卵巣腫瘍茎捻転が起こり、命の危険もあるため場合によっては手術です」と言われた経験から、ちょっとでも痛みがある方は、一度婦人科を受診する事をおすすめします。
※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。
違和感を覚えたときは婦人科へ
激しい腰痛や腹痛、止まらない経血は月経過多と卵巣嚢腫奇形腫(成熟嚢胞性奇形腫)が原因だったというEさん。
Eさんは薬の服用で月経過多と卵巣の腫れは治り、その後も経過観察を続けているようですね。
皆さんも、体に違和感を覚えたときはすぐに婦人科で受診してみてくださいね。
今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。
※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一
※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。
必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
(MOREDOOR編集部)