最近、注目を集めている事実婚。
事実婚のみならず、結婚観は多様化しており、一昔前とは大きく様変わりしています。
令和4年版の男女共同参画白書によると、昭和55年(1980年)時点で、全世帯の6割以上が「夫婦と子ども(42.1%)」や「3世代等(19.9%)」の家族構成でした。
しかし、令和2年(2020年)時点では、「単独」世帯の割合が38.0%に上昇し、昭和55年時点と比較してほぼ2倍に増加しました。
これは、全世帯中で最も多い割合です。
また、離婚件数は婚姻件数の約3分の1で推移しており、”事実婚”を選択する人は成人人口の約2〜3%とされています。
今回MOREDOORでは、こうした結婚観の変化に着目し、20代〜30代の男女100人に対して「事実婚に対するアンケート」を実施しました。
昨今注目を集める事実婚について、若い世代はどのように考えているのか、そのリアルな声をご紹介します。
ーーあなたの周りに事実婚をした方/していた方はいますか?
「いる」と答えた人は38%、「いない」と答えた人は62%でした。
約4割の人が身近に事実婚をした方/していた方がいることが分かりました。
『約4割が事実婚当事者のことを知っている』という事実に、多くの方が驚くかもしれません。
ーーあなたは事実婚をしたいと思いますか?
「事実婚をしたい」が14%、「したくない」が53%、「わからない」が33%でした。
周りに事実婚当事者がいるかどうかで比較してみると、yesと答えた人もNoと答えた人も、13〜14%が「事実婚をしたい」と回答しています。
事実婚をされた方が成人人口の2〜3%であることを考えると、この結果は比較的高い数値と言えます。
周りに事実婚当事者がいるかどうかで比較すると?
「事実婚をしたいと思いますか?」の回答結果を、周りに事実婚当事者がいるかどうかで比較してみました。
「周りに事実婚当事者がいない人」は、「自分は事実婚をしたくない」と答える割合が高い一方で、「周りに事実婚当事者がいる人」は、「自分が事実婚をしたいか分からない」と答える割合が高くなっています。
これは、経験者の存在が、選択肢の一つとして自然に影響しているのかもしれません。
では、それぞれの回答理由には、どのような考えがあるのでしょうか。
「事実婚をしたい」理由は?
このように「苗字を変えなければならないこと」「そのために多くの時間を割かれること」を理由に挙げる方が最も多かったです。
中には「結婚や離婚をする際の手続きが面倒過ぎるし、籍を入れてしまうと親戚付き合いなどもしなければならなくなるから」と親戚付き合いを避けたいと考える方もいました。
「事実婚をしたくない」理由は?
「はっきりせず、モヤモヤしてしまいそうだから」などお互いの関係性への影響を懸念する声もありました。
「事実婚したいかどうか分からない」理由は?
このように相手や状況次第で“事実婚にするかも”と考えていることが分かりました。
よく指摘される夫婦別姓以外にも、さまざまな背景があるのではないでしょうか。
続いて「事実婚を選ぶ人が増えている理由」について、聞いてみました。
ーーなぜ事実婚を選ぶ人が増えていると思いますか?
自然な流れで、人権や自分の生きたい人生を考慮した結果だと考える声が多くありました。
最後に20代30代の方は、結婚に関して『どんな社会になってほしい』と思っているのでしょうか?
少し長くなりますが、ぜひ最後までご覧ください。
ーー結婚に関して、どんな社会になってほしいと思いますか?
制度の見直しも
結婚することにメリットを
寛容な社会へ
どんな結婚の形でも「寛容な社会」「あれこれ言われない社会」「結婚は?と聞かれない社会」という声がありました。
そして、この意見は「自分は事実婚をしたくない」と答えた人にも多く、柔軟で寛容な社会への期待は、事実婚をしたいかどうかに関わらず共通していることがわかりました。
同性婚も
責任ある社会へ
子どもの虐待など悲しいニュースが絶えない中で、大人としての責任を持つことや子どもへの影響を考慮する声が多数挙がりました。
すでに社会は変わっている
「そもそも離婚する夫婦が多いのだから、すでに両親の苗字が違う子どもは大勢いる」という事実を指摘する声もありました。
自由・寛容・責任
事実婚に対する20代、30代の意見は、個々の価値観やライフスタイルの多様性を反映しています。
アンケートからは、“自由で、寛容で、責任ある社会”を描く若者のリアルな声が分かりました。
そして彼らの考え方は、もうすでに若者の間で浸透し、さまざまなカタチで新たな社会を築いています。
時代と共に変わりゆく結婚観、あなたはこの20代30代の声をどう感じましたか?
(MOREDOOR編集部)
調査主体:MOREDOOR編集部
調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査
調査期間:2024年01月19日
有効回答数:20代、30代の100名の男女