「2人で一緒に生きていくと決めた」ダブルドレスでの結婚式を叶えた女性同士のカップル。実感した結婚式の意義とは

「2人で一緒に生きていくと決めた」ダブルドレスでの結婚式を叶えた女性同士のカップル。実感した結婚式の意義とは

同性婚が認められていない中で、2015年11月に東京都渋谷区と世田谷区で施行されたパートナーシップ制度は、現在では300を超える自治体にまで広がり、登録件数は5,000組以上となった日本。

そんな中、「結婚式を挙げたい」というLGBTQ+カップルに向けて挙式や披露宴、前撮りやムービーなどを提供するウエディング関連企業も増えています。

そこで今回MOREDOORでは、すでに結婚式をあげた女性同士のカップルにインタビューを実施!
結婚式に至った背景や、結婚式がお二人の人生に与えた影響などについて聞いてみました。

カミングアウトは……

2020年9月に結婚式と披露宴を行ったこてぃもかさんカップルは、女性同士。
職場が一緒だったお二人は、お互いの恋愛相談をするほど気の合う友人でした。

ある日、こてぃさんから「実は彼女がいる」とカミングアウトされたもかさん。
その時「重大発表!!といった感じではなく、普通に“そうなんだ〜”と受け止めた」そうです。

お二人ともあまりよく覚えていないほど、すでに信頼しあっている間柄だったことが伺えます。

プロポーズはサプライズで


付き合って一年半が経ったころのもかさんの誕生日。
ホテルディナーでお祝いをすることに。

食事後、もかさんは突然ホテルの人から呼び出され、神聖な雰囲気のチャペルへ誘導されます。
そこには108本のバラの花束を持ったこてぃさんが……!
こてぃさんはひざまずいて、パカっと指輪の箱を開けてプロポーズをしてくれたそうです。

実はずっと前からプロポーズの計画を練っていたこてぃさん。
お付き合い1年記念のペアリングを買う時、すでにもかさんの“左手の薬指のサイズ”をこっそり確認していました。

ジュエリーショップで、「女性にプロポーズするんですがコレどう思いますか?」と意を決して相談すると、「うわぁいいですね〜素敵!!」と返答が。

「ジュエリー選びに親身になって、プロポーズを応援してくれたことが嬉しかった」と、今でも心に残っているそうです。

結婚式をしたかったもかさん

結婚式をしてもしなくてもよいと思っていたこてぃさんに対し、もかさんは結婚式をしたい派。
当時は検索しても同性カップルの結婚式に関する情報が全然出てこなかったけれど、着々と情報収集をすすめて「こんなこともできます」とこてぃさんへプレゼンを実施したそうです。

LGBTQ+フレンドリーな結婚式場との出会い


式場を選んだ理由として、
・ご飯が美味しかったこと
・グランドピアノが置いてあったこと(生で楽器を使いたかったため)
・スタッフさんの雰囲気がよかったこと
を挙げたお二人。

結婚式場選びも、準備も、お互い初めてのことばかりでドキドキしながら楽しみにしていたそうです。
そんなお二人に対して、式場の方はまず話を聞いて親身に相談に乗ってくれて、その中で迷ったら導いてくれるような打ち合わせを重ねてくれたとのこと。
結婚式を終えた今でも、“やっぱりここにしてよかった”と感じていることを教えてくれました。

自分自身にも大切な人にも


お二人が結婚式を挙げるうえで大事にしていたのは、“二人で一緒に生きていくと決めた”と、家族に、友人に、そして自分たちに宣言することでした。
法律上では入籍ができないから、自分や周りの人たちに“宣言する位置付け”の結婚式。

そんな結婚式の準備を振り返り、「私たちは“何が分からないのかが分からない状態”でした。でもその結婚式場はすでに同性カップルを担当した経験があったんです。それで“入場のときはこんな風にしました”などいろいろ選択肢を提示してくださったのを覚えています」と語ってくれました。

両親へのカミングアウト

こてぃさんはもかさんとお付き合いしてからも、ご両親にカミングアウトはしていなかったそうです。
元々ご両親はLGBTQ+に理解のある方ではないと感じていたためでした。

でも、もかさんへプロポーズをしたあと、親へ話すことに。

「“もかさんと結婚することにしました”と自分の行く道を伝えました。
それに対する両親の反応は“ゆっくり受け入れさせてほしい”でした。

でもその後結婚式の日取り決めなどどんどん私たちが準備を進めていき、
結果的にカミングアウトから結婚式まで1年程しかなく、当時の両親は気持ちが忙しかっただろうなと思います」とこてぃさん。

その時のことをもかさんは、
「こてぃちゃん家族の話だから、見守るしかなくて……。いろんな気持ちを抱えているだろうなと感じていました」と語ってくれました。