PMSのつらさを「見える化」へ
ロッテの研究の対象者は、ロッテの社員やその家族のうち、希望する方を中心とした18〜60歳の女性。
Fitibit(スマートウォッチ)などのウェアラブルデバイスを約3か月間装着し生体指標を取得、同時にPMSの症状をスコア化する主観アンケートを実施しました。
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株式会社テックドクターと共同で、PMSの症状の重い人のデータと軽い人のデータを比較することで、PMS症状の主観評価と生体指標(心拍変動や血糖値など)に相関が見られないか探索し、症状の定量化を目指しています。
この研究で「PMSのつらさが見える化」されれば、周囲の正しい理解を引き出すことはもちろん、PMSによる個々への予防や対処といった改善につながることが期待されています。
お菓子の開発担当者も参加
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「今回の研究は、新たな価値をつくる“ロッテ中央研究所”が中心となって、社内横断プロジェクトとして活動しています。
9割が女性で、なかには普段お菓子の開発を担当している研究者や広報担当者も自ら参加を希望してくれて。
PMSはさまざまな女性に共通の問題なので、皆“自分ごと化”しながら考えられますし、当事者の一人としても高いモチベーションを保ちながら進めています。
今後は今以上に男性も巻き込み、性別に関係なくお互いの健康についてコミュニケーションをとっていけたらと思っています」
研究協力者たちからも期待の声が
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「研究協力者は社内ポータルサイトやメールで一斉募集をかけました。PMSは本当に身近な問題なので、すぐに多くの方から興味をもっていただけました。
デバイスのデータは研究協力者自身で数値を見られる状態だったため、日々睡眠時間や血糖値などの数値を見ることが楽しかったと健康意識が変化したとの声も。
そしてなにより、この結果を“役立ててほしい”と期待の声をたくさんいただきました」
この研究がめざすもの
「生理関係の根本的な課題は、正しい情報の欠如です。知らない、わからないことがあまりにも大きい。
今回の研究結果を公表することで、本人や周囲の人(家族や友人やパートナー)の理解がすすみ、男女問わず健康についてのコミュニケーションがとれる社会の実現を目指したいです。
お互いにとって優しい世界がひろがっていくように、その一助になる価値提供をしたいですし、正しい情報発信がとても大切だと思っています」
PMSのつらさの見える化へ挑むロッテの研究者たちは、その先の優しい世界を見据えていました。
(MOREDOOR編集部)
※画像提供:株式会社ロッテ