9.7%、おおよそ10人に1人がLGBTQ+層に該当すると言われる現代社会。(電通グループ「LGBTQ+調査2023」より)
これは、日本の左利きの方の数と同程度だとも言われています。
日本ではいまだ、同性婚は法的に認められていませんが、結婚式やフォトウエディングなどに法律上NGはなく、LGBTQ+の方も当然サービスを受けることができます。
しかし、ウエディング業界にはそもそも独自の慣習が多く、現場では「自分の発言が失礼にあたらないか不安」「どんな準備をしたらよいか分からない」などといった課題も。
そこで今回は、マイナビウエディングが発表した「ウエディング業界のLGBTQ+理解増進プロジェクト『OVER THE RAINBOW WEDDING』」を起点に、LGBTQ+の当事者カップルをとりまく結婚式事情について、考えていきます。
LGBTQ+理解増進プロジェクト
このプロジェクトは、2023年11月22日にマイナビウエディングが結婚式場やジュエリーショップなど“ウエディング関連企業にむけて”始動しました。
すべてのカップルに『ふたりらしいウエディング』を経験してほしいというマイナビウエディング立ち上げ当初からのポリシーをもとに、LGBTQ+の方々の結婚式を応援する際の指針となるハンドブックの制作や、企業向けセミナー、研修などを通じて理解増進を図っています。
『LGBTQ+の方々の結婚が当たり前の選択肢となり、特別視されなくなる日を見据え、ウエディング業界全体で応援していきたい』と語った担当者。
その背景には、ある一人の当事者の存在がありました。
2015年からLGBTQ研修を
マイナビウエディングがLGBTQ+に関した取り組みを始めたのは、2015年。
当時、実は編集部に当事者の方がいました。
彼女がカミングアウトしたタイミングで、「当事者の人たちは実はこんなことに悩んでいる」「なにかウエディング業界としてもできることはないか?」と課題を投げかけたそうです。
その後、相談を受け付けるサロンで同性カップルからの問い合わせは何件かあったものの、“前例がないから”と式場から断られてしまうケースも。
そこでマイナビウエディングは「自分たちだけで解決できるわけではない、ウエディング業界全体を巻き込もう」と長期的なプロジェクトの計画がスタートさせました。
ウエディング業界の現状
まずマイナビウエディングでは、ウエディング関連企業へアンケートを実施。
すると、職場でのLGBTQ研修が行われている企業は20%にも満たず、さらに「LGBTQの方々に対して適切なサービスを提供できているか」という質問には、60%を超える企業から「思わない」「あまり思わない」といった回答がありました。
マイナビウエディングの担当者は、
「元々、結婚式は法律に縛られているものではありません。なので“できないっておかしいよね”と。時代の流れとともに世間の意識も変わってきているのを感じていたので、ウエディング関連企業へ向けて同性カップル当事者へ直接質問ができるセミナーを開催しました」と語りました。